秋が深まるころ、りんご売り場でひときわ目を引くのが、濃い赤紫色に輝く「秋映(あきばえ)」です。
名前の通り、秋の風景を映し出すような色づきと、しっかりとした甘酸っぱさが魅力の信州生まれの品種。
見た目にも味わいにも“秋の深まり”を感じるりんごとして、多くのファンに愛されています。
◆ 信州の気候が育てた、濃厚な味わい
「秋映」は、長野県で誕生した品種。
昼夜の寒暖差が大きい気候のもとで育つため、果皮は濃く色づき、味わいはぐっと深みを増します。
ひと口かじれば、パリッと心地よい歯ざわりとともに、甘みと酸味がじゅわっと広がり、りんご本来のコクをしっかり感じられます。
その濃厚さは、まさに“秋の実りを凝縮したような味わい”です。
◆ 秋映の特徴
- 果皮:赤紫色〜濃いえんじ色で、光沢が強い
- 果肉:ややかためでシャキッとした食感
- 味わい:甘みが強く、酸味とのバランスがよい
- 香り:ややスパイシーで芳醇
生食はもちろん、加熱すると味が引き締まり、色が美しく残るため、コンポートやアップルパイ、ジャム作りにも最適です。
煮込むと、皮の赤色が果肉にほんのり移り、ルビーのように美しい色合いになります。
秋映(あきばえ)をみかけたら、是非手作りジャムを作って見てください♪
ジャム活用レシピ「りんご:秋映(あきばえ)でつくるシンプルなりんごジャム」
◆ 自然と人の手が生む、深い赤
秋映の赤は、単なる果皮の色ではなく、育てた農家の情熱そのもの。
日光がしっかり当たるよう枝を整え、実が色づくまでじっくりと待つ——。
ひとつひとつ丁寧に育てられたその姿は、まさに「信州の秋を映す鏡」のようです。
見た目の美しさに加えて、味の奥行きがしっかりしているのは、そんな丁寧な手仕事のたまものです。

◆ 秋の食卓を彩る、秋映の楽しみ方
- スライスしてチーズと一緒にワインのおともに
- バターソテーにして、肉料理の付け合わせに
- 角切りにしてヨーグルトやオートミールに添えて
- ジャムにしてトーストやスコーンに
秋映は、加熱しても香りが飛びにくく、りんご特有の風味がしっかり残ります。
ジャムにすると、甘みの奥にほどよい酸味が感じられ、赤ワインやシナモンとも好相性。
秋のティータイムにぴったりの味わいです。
「秋映(あきばえ)」は、名前の通り“秋を映す”りんご。
深紅に染まった果皮、ぎゅっと詰まった甘み、そして爽やかな香り。
そのすべてが、信州の秋の空気をそのまま閉じ込めたようです。
旬のこの時季に、ぜひひと口かじって、秋の深まりを感じてみてください。